貧血は一般的に男性よりも女性がなりやすいとされています。実際に成人女性の約5人に1人は貧血の疑いがあると言われています。
貧血は鉄分不足・なんらかの出血が原因で起きますので、女性は生理、妊娠・出産、またダイエットなど、貧血になりやすい条件がそろっている為です。
しかし男性でも貧血になる人はいます。女性よりも男性の貧血の場合より重い病気であることがありますので注意が必要です。
貧血とは?
「血液内のヘモグロビン量が減少し、低酸素状態になること」をいいます。ヘモグロビンは血液中の赤血球の中にあって酸素を運んでくれるタンパク質です。
健康診断でも必ず検査される項目です。基準値は女性の場合、11.4~14g/dl、男性の場合13~16.6g/dlです。
ヘモグロビンとあわせて、ヘマトクリット値(血液全体に占める赤血球の割合)も低ければ、貧血と判断されます。
貧血の主な原因3つ
貧血の原因はいくつかありますが、鉄分不足・出血が原因で起きることは共通しています。
赤血球の生産量が低下している
貧血の中で最も多く、女性の貧血の中でも多い鉄欠乏症貧血がこの原因です。
赤血球の原料となる鉄分のほか、タンパク質やビタミンB12などが不足すると赤血球を十分に造ることができなくなり、貧血になります。
また再生不良性貧血の場合も造血細胞に障害があるため、赤血球を生産することができなくなります。
赤血球が破壊されている
溶血性貧血(自己免疫性溶血性貧血)のように、赤血球の寿命が異常に早く破壊されて起きる貧血が原因の場合です。まれにヤケドやへび毒による場合もあります。
継続的に出血が起きている
慢性的な病気が原因で継続的にじわじわと出血が続いている状態で、知らないうちに貧血が進んでいる場合があります。
女性の場合は、月経時の血液が異常に多い過多月経や子宮筋腫や卵巣のう腫といった病気による貧血が考えられますが、男女共通の病気として胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんや大腸がんなどがあります。
男性の貧血は要注意
そもそも男性は、男性ホルモンの影響で体内の貯蔵鉄や赤血球の数が女性よりも多いです。
また女性のように生理や妊娠・出産で出血して鉄分を失う機会がないため、普通は貧血になりません。
よって男性が貧血の症状がみられる場合、上記であげたような自己免疫疾患や潰瘍、ポリープ、がんである可能性が高いということです。
特に死亡数が女性の2倍である胃がんなど、消化器系の病気には注意してください。
貧血の症状10つ
貧血の症状は人により様々で、重症化すると身体のいたる所に症状がでてくる疾患です。
ここでは初期から重症の場合まで、代表的な症状をあげます。
・疲れやすい・だるい
・頭痛・肩こりがひどい
・口の端が切れやすい、口内炎ができやすい
・抜け毛が多くなる・爪が割れやすい
・息切れ・動悸がする
・食べ物が飲み込みづらい
・固いものを好んでたべるようになる(煎餅・氷など、音が出るものを好む「異食症」)
・胃が痛い、吐き気がする(胃潰瘍からの出血・または鉄不足が原因でない悪性貧血の疑い)
・手足がムズムズする(鉄分不足により神経伝達物質に影響)
・味覚がおかしくなる(鉄分が不足により脳にも影響を及ぼすため)
下にいくほど重症度が高いですが、症状の度合も様々で、複数当てまはる人もいるでしょう。
まとめ
女性は貧血の原因がある程度わかる為、食生活の改善など対処も比較的早いといえます。
男性はただの疲れ、体調不良と片付けてしまうことが多いのではないでしょうか。
自分の体のサインに耳を傾け、気になる場合は早めに受診し、貧血の症状がある場合は血液検査を受けた方がよいでしょう。
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