夜中に子供の咳がひどくなって起きてしまう・・・ということを経験したお母さんも多いのではないでしょうか。
日中は元気そうなのに、なぜか夜だけ咳がひどい。夜、子どもが咳でなかなか眠れないのは、かわいそうですよね。
咳がひどいときは、どんな病気の可能性があるのか、家庭での食事はどんなものがいいのでしょうか?
なぜ夜中に咳がひどくなるのか、また、薬を使う時の注意点や、咳がひどいときの食事法などについてまとめました。
なぜ夜中に咳がひどくなるの?
日中はそれほどひどくはないのに、夜になると咳がひどくなって眠れない、ということはよくあります。
その理由は、体の自律神経に関係しています。自律神経には交感神経と副交感神経の二つで成り立っています。体は1日に交感神経優位の時間と副交感神経優位な時間を行ったり来たりしながら過ごしています。
基本的には、活動的な時間帯は交感神経優位、リラックスした体をゆったりとさせている時間帯は副交感神経優位となります。
夜寝ている時、というのは完全に副交感神経優位の状態です。
気管支は副交感神経優位の時には、キュッと締まって細くなる、という特徴がある臓器のため、寝ている時間帯は「咳が出やすい状態」になってしまうのです。
喘息の子が「夜中に苦しい」となるのも同じ理由です。
子供に咳止めの薬を使う時の注意点
呼吸停止の恐れ
まず、咳止め薬を使うときに一番注意しなくてはいけないのは、強い咳止めの中には、呼吸抑制作用がある薬品もあり、乳幼児が服用すると呼吸停止することがありますので、使用してはいけません。
「呼吸抑制作用」は、リン酸コデインなどがこの成分にあたります。
これは市販薬などに含まれていることがありますので、自己判断で薬をドラックストアで購入して、子供に与えるのは危険です。
咳止めは、かかりつけの小児科などの病院で処方してもらうのが良いでしょう。
敢えて止めないケース
また、薬で「咳を止めてはいけない場合」もあります。
たとえば喘息の発作の揚合、薬で咳を止めてしまうと、痰を排出できなくなり、溜まってしまった痰が気管支の内側をさらに狭くして、逆に苦しくなってしまうことがあるのです。
その場合には、咳止め薬ではなく、気管支を広げる効果がある「気管支拡張薬」や、痰を切れやすくする「去痰薬」を使用します。
止めた方が良いケース
呼吸器感染症の場合は、咳の症状があれば必要に応じて咳止めを使うことになります。
軽度の風邪であれば、咳止め薬を飲んで、夜十分に寝られるようになれば数日で回復するでしょう。
風邪はウィルスが原因です。ウィルスを殺す薬はありませんので、体を休めて自分の免疫機能が正常に働けば、2、3日で治ります。
重症になり、肺炎などの細菌感染を起こしている時は、咳止め薬だけでは効果がありません。細菌を殺す薬がありますので(抗生物質)、それを飲む必要があります。
ちなみに、ウィルス性の風邪に抗生物質を飲んでも効果は得られませんので、肺炎以外には飲む必要はありません。
咳がひどい時の食事の注意点
あまりにも咳がひどくて吐いてしまう、という時には無理に食事をする必要はありません。
「ご飯を食べなければ体力が落ちて回復しない」と思うかもしれませんが、通常のウィルス性の風邪であれば、むしろ食事はしない方が早く回復することがあります。
人間の体は食事をすると、消化にものすごいエネルギーをかける必要があるそうです。
風邪の時などは、消化にエネルギーをかけずに、回復するためのエネルギーを多く使う必要が出てきます。免疫機能を活発に発動しなくてはならないので、食べない方が良い、ということになるのです。
「風邪を引くと食欲が落ちる」というのは理にかなっているわけです。
「風邪を引いていると、子供が全然食事をしない。」と困るお母さんもいるかもしれませんが、元気になったら、またいつものように食べ出すので、無理に食べさせず、そのまま見守っていれば良いのです。
まとめ
「子供の咳がひどい」とひと言でいっても、肺炎の場合や喘息の場合では、飲む薬や対応が異なります。まずは病院で受診して、適切な薬を処方してもらいましょう。
食事は無理にさせずに、部屋は高めの湿度を保ちながら、喉によい環境を整えてあげるといいですね。
夜間に咳があまりひどければ、上体を起こしてあげると気管が広がり、呼吸が楽になります。
きちんと病院を受診し薬を飲んでいれば、それほど長引くことなく良くなるでしょう。
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